幻の釉薬
紫遠釉茶碗

         
   織部好みの 幻 の釉薬を再現

 

400年前の古高取焼・内ケ磯窯の窯跡から出土した陶片は膨大な量になるが、極めて少ない数だが茶入の陶片も出土している。

その中に通常現在でも使われている釉薬もあるが、ごく少数だが紫色に属するのがある。

かなり渋い紫色で確かに茶入には向いていると思われるが、現在生業している九州の高取焼の窯元ではどこも使ってはいない。

又、茶陶の伝世品の中にもまだ見ることはかつてなかった。

又、織部焼の中にも伝世されているようではない。

この織部焼は海外では「 Oribe Wear」として紹介されている。


この紫色の陶片は直方市の公民館の高取焼の資料室で見ることが出来る。

長年の研究によってなんとか焼成することが出来るようになり、茶入や茶碗やぐい呑などが焼けるようになった。

窯変することもあり、渋い黒色になるが独特の色である。

この紫色の釉薬というのは全国的にも珍しいもので、他の産地では例を知らない。

ただ、隣の上野焼においては江戸時代後期に紫蘇釉というのがあるがカイラギ状のプツプツになったもので、これも元は高取焼から伝わったものと思われる。

今回再現した釉薬に、紫色の遠い昔の釉薬という意味で 「紫遠釉」 と命名した。

原料は地元で採取したのもので、いわゆる鉄分を多く含んでいるものであるがどうやら紫色にするものが含まれているようである。

それ以外には紫色にするための顔料などは一切添加してはいない。

とにかく自然界は不思議に満ちている。

 

 

 

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